自衛隊が使用する防衛装備の研究開発、調達、廃棄、輸出などを一元管理する行政機関。防衛装備には、戦闘車両、航空機、艦船、火器、弾薬、レーダー、ミサイルなどが含まれる。2015年6月に改正された防衛省設置法に基づき、同年10月1日に防衛省の外局として発足した。約400人の自衛官を含む計約1800人規模で、初代長官には同省の渡辺秀明技術研究本部長が起用された。防衛装備の調達などに関しては従来、陸海空各自衛隊の装備部門や防衛省の内部部局が個別に行ってきたが、新組織ではそうした機能を統合。業務を集約して効率化することで、研究開発や調達に要するコストの抑制を図る。また、1967年以降、武器輸出を原則として禁じてきた武器輸出三原則に代わって、2014年4月に閣議決定された防衛装備移転三原則に基づき、装備品の輸出や国際共同開発などを推進する役割も担う。防衛予算約5兆円のうち、2兆円を割り当てられており、防衛装備に関わる権限が同庁に集中するため、監査などを行う20人規模の監察監査・評価官も同庁内部に設けられたが、防衛産業との癒着防止が大きな課題とされている。