日本、トルコ両政府が2013年5月3日に発表した「日本国とトルコ共和国の戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言」のこと。トルコを公式訪問した安倍晋三首相とエルドアン首相が、アンカラでの首脳会談終了後に発表した。宣言では、両国首脳のより頻繁な会談や外務大臣の定期的な対話を通じた政治面での協力強化をはじめ、アジア、中東情勢の安定化に向けた協議の実施や、核の安全保障、不拡散分野での協力に合意。内戦状態が続くシリアの人々に対する人道支援でも連携が確認された。経済面では、医療、農業、インフラ整備、宇宙開発などでの協力、経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉の加速化などで合意。また、トルコ北部に建設が予定されているシノップ原子力発電所プロジェクトで、日本に排他的交渉権を付与する政府間の原子力協定への署名も行われた。東京電力福島第一原子力発電所の事故発生以後、日本の原発輸出としては初めての事業となり、原発輸出を成長戦略の一環とする安倍政権にとって重要な成果と見られている。