課税や生活保護、社会保障、許認可など、国や地方自治体の行政処分に不服がある場合に変更や取り消しなどを申し立てる制度。手数料は無料で、裁判よりも簡単な手続きで利用できる。2014年6月6日、同制度の公正性や使いやすさを高め、国民の救済手段を拡充することを目的とした改正行政不服審査法が可決、成立した。公正性の向上に関しては、行政処分に関わっていない職員が審理員となって、審査を請求した国民、処分を行った行政庁双方の主張を公正に審理する制度を導入。現行制度では処分に関わった職員が不服審査を担当する可能性があるため、その改善を図った。行政による審査結果については、有識者から成る第三者機関を設けて判断が妥当かどうかをチェックすることとされた。制度の使いやすさ向上の点からは、不服申し立ての期間を処分後60日以内から3カ月以内に延長。また、不服申し立てによる裁決の後でなければ行政訴訟を起こせないと定めている96の法律のうち、68の法律でその定めを廃止、縮小。直ちに訴訟を起こすことができる範囲が広がった。同法の抜本的な見直しは1962年に制定されて以来、初めて。改正法は、2016年までに施行される。