海外のテロ関連情報を集めることを目的として日本の外務省に設置された組織。2015年1月にシリアで発生した、過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人殺害事件などを踏まえ、同年5月に新設が決定された。決定当初は16年4月の発足を予定していたが、15年11月のパリ同時多発テロを受けて大幅に前倒しされ、同年12月8日に発足した。ユニットは外務省のほか、防衛省、警察庁、公安調査庁などから集められた約20人からなり、中東、東南アジア、南アジア、北・西アフリカの4地域ごとにチームを編成。各チームを率いる審議官級職員のもと、現地の言葉や情勢に精通した職員が在外公館に派遣され、情報収集にあたる。同時に首相官邸にも各省庁の局長で構成される「国際テロ情報収集・集約幹事会」と、事務局機能を担う「国際テロ情報集約室」が新設され、ユニットが集めた情報の共有・分析を行う。16年5月に開かれる伊勢志摩サミットや20年東京オリンピックに向けたテロ対策強化の柱とされている。