欧米の日本研究者や歴史学者ら187人が、日本が抱える第二次世界大戦時とそれ以降の歴史解釈の問題について言及した文書。2015年3月にアメリカのシカゴで開かれたアジア研究協会会合での議論などをもとに生まれ、同年5月5日に英語と日本語で公表された。中心となって文書を取りまとめたジョージタウン大学のジョルダン・サンド教授、コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授のほか、アメリカのハーバード大学のエズラ・ボーゲル名誉教授、マサチューセッツ工科大学のジョン・ダワー名誉教授、ニューヨーク州立大学のハーバート・ビックス名誉教授など、著名な日本研究者も名を連ねた。声明は戦後日本の民主主義や自衛隊の文民統制について「世界の祝福に値する」とたたえる一方で、祝福を受けるには歴史解釈問題が障害になっていると指摘。特に従軍慰安婦問題について、日本軍の関与は明らかであり、第二次世界大戦時の日本と戦場となった地域で女性が尊厳を奪われた事実は変わらないと述べ、問題自体を否定したり無視したりすることは受け入れられないとした。その上で、戦後70年の節目にあたる同年が日本政府にとって「過去の植民地支配と戦時における侵略の問題に立ち向かい、その指導力を見せる絶好の機会」であるとし、過去の過ちについて「可能な限り全体的で、でき得る限り偏見なき清算」をするよう呼びかけた。声明発表後、新たに多くの賛同者が加わり、同年5月19日時点で457人となった。