アフリカ東部のジブチに設置された自衛隊の活動拠点。時限的な性格が濃かったイラクやカンボジアでの拠点とは異なり、ほぼ恒久的な施設や基地機能をもつ、第二次世界大戦後の日本にとって初めての本格的な海外拠点。自衛隊は2009年3月にジブチの隣国であるソマリア沖のアデン湾で海賊対策のため、護衛艦による船舶護衛や航空機による監視活動を開始。当初はジブチにあるアメリカ軍基地の施設を借りていたが、活動の長期化が予想されたことから、10年8月に航空隊の拠点の建設を始め11年6月に開設した。拠点の敷地はジブチ国際空港に隣接する約12ヘクタールで、ジブチ政府と地位協定を結んで有償で借りている。監視活動で使用するP3C哨戒機の駐機場や整備用格納庫、庁舎、宿舎、体育館などを備え、陸上自衛隊、海上自衛隊からなる約180人の隊員が交代で派遣される。13年12月に安倍政権がまとめた防衛計画大綱では、国際平和協力活動のためにジブチの拠点を活用する方針が記載された。16年1月12日の衆議院予算委員会における答弁で中谷元防衛大臣は、同拠点を南スーダンの国連平和維持活動(PKO)派遣部隊への物資輸送や、政府専用機の運航、国際緊急援助活動の中継地として活用していると明らかにした。