訪日したフランスのオランド大統領と安倍晋三首相が、2013年6月7日に開催された首脳会談の終了後に発表した、両国政府による経済や安全保障などでの関係強化をうたった政治声明。柱となるのは、原子力と安全保障の2分野での協力強化。原子力分野では、第三国への原子力発電所輸出や、第四世代原子炉の共同開発、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉などにおける協力に合意。また、青森県六ケ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場の操業開始を含む、核燃料サイクルの実現に向けた技術協力についても盛り込まれた。一方、安全保障面では、ともに太平洋に領土、領海を持つ国として、海洋法の原則尊重や航行の自由を維持することを強調し、太平洋の平和と安定に向けて協力するとした。また、11年に日本が武器輸出三原則を緩和したことを受け、防衛装備品の共同開発や、輸出管理の枠組み作りに取り組むことでも合意。そのほか、日本と欧州連合(EU)間での経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉の促進、中東とアフリカにおける両国民、企業の安全に関する情報交換、国連安全保障理事会での日本の常任理事国入りに対するフランスの支持なども明記された。