ウクライナにおける政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘停止について、2015年2月12日に交わされた合意。ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領の仲介で、ウクライナのポロシェンコ大統領、ロシアのプーチン大統領が出席し、ベラルーシの首都ミンスクで開かれた会談で合意された。ウクライナでは、14年2月に首都キエフで親欧州派による政変が起きた後、ロシア系の住民が多い東部で政府に対する反発が広がり、同年4月に親ロシア派と政府軍との間で武力衝突に発展した。両者は14年9月5日、停戦や東部に高度な自治権を与えるための地方選挙の実施などを定めたミンスク停戦合意に署名したが、その後も合意は順守されず、戦闘が継続。15年1月に入って親ロシア派が攻勢を強めたことで、戦闘拡大の懸念を深めた独仏両首脳が仲介に乗り出した。新たな停戦合意は14年9月の合意をベースに、15年2月15日からの停戦、緩衝地帯の設定、重火器の撤去、ウクライナ東部への自治権付与などの13項目からなり、ウクライナ、ロシア、欧州安全保障協力機構(OSCE)、親ロシア派の代表が、16時間におよぶ交渉の末に署名した。停戦は2月15日に発効したが、その後も一部の地域で散発的に戦闘が発生するなど、依然として緊張状態は続いている。