安倍晋三首相とインドのナレンドラ・モディ首相が2015年12月12日にニューデリーで開いた首脳会談の終了後に発表した共同声明。正式名称は「日印ヴィジョン2025 特別戦略的グローバル・パートナーシップ インド太平洋地域と世界の平和と繁栄のための協働」。声明では、日本からインドへの原子力発電所輸出を可能にする日印原子力協定の締結に向けて原則合意に達したことを歓迎するとしている。同協定は詳細についての交渉を経て署名される見通しで、締結されれば核不拡散条約(NPT)未加盟国と協定を結ぶ初めての事例となる。また、インド高速鉄道(インド新幹線)計画で日本の新幹線方式を導入する覚書の署名にも言及。同鉄道はムンバイとアーメダバードを結ぶ全長約500キロメートルの路線計画で、覚書では総事業費約1兆8000億円のうち最大約81%について円借款を供与するとしている。安全保障分野では、防衛装備品の技術協力や共同開発に関する協定締結や、インドとアメリカが共同実施している海上軍事訓練「マラバール」への海上自衛隊の定期的な参加など、南シナ海などで海洋進出を進める中国を念頭に日印米の連携強化が確認された。