テロや犯罪と無関係と判断された外国人の出入国手続きを簡略化する仕組み。「トラステッド・トラベラー」とは、「信頼できる渡航者」という意味で、トラステッド・トラベラー・プログラムとも呼ばれる。法務大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会が、2013年5月にまとめた「訪日外国人2500万人時代の出入国管理行政の在り方に関する検討結果(報告)」で、外国人観光客やビジネスマンの来日を促進する方策の一つとして提言された。対象となるのは、犯罪歴がないなどの条件を満たす外国人。日本の在外公館で事前申請したうえで、初来日時に指紋情報を登録しておけば、2回目以降は入国審査官の面接を受けずに、自動化ゲートで指紋認証、パスポート照合を行うだけで出入国できる。導入には入国管理法の改正などが必要なため、運用開始は早くても15年度以降となる見通しで、まずはビジネスマンを対象とし、将来的に観光客への適用拡大も検討する予定。同様の取り組みはアメリカやイギリスでも導入されている。