テロにつながる過激思想の拡散防止などの対策を協議するため、アメリカ政府の主催で開かれた国際会議。英語名の略からCVEサミットとも呼ばれる。2015年2月17~19日にワシントンで開催され、約60カ国の代表や潘基文国連事務総長らが出席した。サミット開催の背景には、シリアやイラクの一部を支配する過激派組織「イスラム国」がインターネット上の広報活動で世界各国から参加者を集めていることや、そうした組織の思想に感化された欧米育ちの人物が自国でテロを起こすホームグロウン・テロの脅威が高まっていることがある。サミットには、各国閣僚に加え、アメリカ国内の治安当局者や、宗教指導者、市民活動家らが参加し、地域社会の中で過激思想の流布を防ぐ対策や、過激派組織に参加した外国人戦闘員への対応協力について協議。最終日の閣僚級会合終了後に発表された共同声明は、過激思想対策には軍事力や警察力だけではなく、その温床となる貧困などの社会問題改善のため、若者や女性への雇用、教育の機会を提供する必要性があるとした。また、過激派組織の宣伝活動に対抗するためのソーシャルメディアなどを活用した情報発信の強化や、刑務所での過激思想の拡散防止なども挙げられた。