西太平洋のパラオ共和国南部に位置する隆起サンゴ礁の島。東経134度、北緯6~7度。大きさは南北約10キロメートル、東西約3キロメートル。同国は1886年にスペイン領、99年にドイツ領となり、第一次世界大戦後1920年から日本が委任統治を行った。ペリリュー島はリン鉱石の産地であり、日本人の鉱山労働者などが移り住んだ。大型飛行機が離着陸できる滑走路が建設されたため、第二次世界大戦中には戦略的な要地とされ、太平洋戦争末期の44年9月にアメリカ軍による攻撃を受けた。上陸作戦を展開するアメリカ軍約4万人に対し、日本軍約1万人は洞窟や塹壕(ざんごう)を利用したゲリラ戦で抵抗。74日間の激戦の末、日本軍守備隊はほぼ全滅し、アメリカ軍も約1700人の戦死者を出した。厚生労働省は53年から現地で遺骨収集を行っているが、戦後70年を迎える2015年4月時点でも約2600人分の遺骨は見つかっていない。同月には、天皇皇后両陛下が同島を初めて訪問し、日米の慰霊碑に供花して犠牲者を追悼した。