2016年4~6月にペルーで実施された大統領選挙。11年に就任したオジャンタ・ウマラ大統領の任期満了に伴い行われた。10人の候補で争われた第1回の投票は同年4月10日に投票が実施され、アルベルト・フジモリ元大統領の長女であるケイコ・フジモリ候補が約4割の票を獲得し、他候補に大きな差をつけてトップに立った。しかし、当選に必要な有効票の過半数を獲得するまでには至らなかったため、2位だったペドロ・クチンスキー元首相との決選投票にもつれ込むことになった。両候補はともに中道右派で政策面では大きな相違がなく、選挙戦はフジモリ元大統領時代の評価が争点になった。クチンスキー候補はフジモリ元大統領による人権侵害や汚職に焦点を当て、ケイコ・フジモリ候補を攻撃。結果、国内に根強く残る反フジモリ票の結集に成功し、同年6月5日に行われた決選投票を僅差で制した。決選投票の投票率は約80%だった。クチンスキー新大統領は同年7月28日に就任の予定で、任期は5年。選挙戦で二分されたペルー世論の融和が最初の課題になると見られている。