2015年12月31日から16年1月1日にかけて、ドイツのケルン中央駅周辺で発生した集団暴行事件。15年の大みそかに、ケルン中央駅に集まった約1000人の男性が花火を人混みに打ち込むなどして騒いだ後、複数のグループを作って女性たちを包囲。財布などの所持品を奪ったり、痴漢行為や性的暴行に及んだりしたと報道された。16年1月26日時点で、この事件による被害の届け出は800件を超えており、うち性犯罪は4割に上るという。同月8日には、事件への対応が不適切だったことから、ケルン警察のトップが更迭された。警察は、事件の容疑者として拘束した多くがモロッコ、アルジェリアなどの移民や難民申請者と発表した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、難民・移民の受け入れを積極的に進め、15年は年間約110万人を受け入れた。しかし、集団暴行事件の発生によって、国民の間ではこの方針に対する批判が強まっており、大規模な移民受け入れ反対集会が開かれ、警官隊と衝突する騒ぎが起こった。同国政府はこの事件を受け、殺人や暴行事件などを起こして有罪判決を受けた外国人は、執行猶予がついた場合でも、本国に強制送還しやすくするための法改正に着手する。