2016年8月24日午前3時36分、イタリア中部のペルージャ付近で発生したマグニチュード6.2の地震。震源はペルージャ県ノルチャ南東10キロメートルの地点で、震源の深さは10キロメートル。イタリア中部の広い地域で強い揺れを感じたほか、首都のローマでも揺れを感じた。被災地では、救助隊などが瓦礫(がれき)の下に取り残された人を助け出す作業を進めたが、山あいであることから救助活動は難航。同月31日までに、292人の死亡が確認された。そのうち、231人と最大の被害者を出したのが風光明媚(めいび)なアマトリーチェという町で、ほぼ全域が崩壊。アマトリーチェはイタリア料理のアマトリチャーナというパスタの名前の由来地でもある。その後、耐震工事から間もない町の公立学校が損壊するなど、手抜き工事や耐震偽装が行われていた疑いが浮上し、被災者の間から批判の声が上がっている。その一方で、震源に近いノルチャという町では、過去の地震を教訓に地震対策を取っていたため、死者を出さずに済んだ。イタリア政府は、学校や教会などが倒壊した事態を重く受け止め、建築基準を厳格に適用することを表明した。