1963年11月22日、第35代アメリカ大統領、ジョン・F・ケネディが遊説中のテキサス州ダラスで暗殺された事件。事件は、空港から演説会場であるダラス・トレードセンターまでのパレード中に起こった。市内の立体交差路に差し掛かった時、オープンカーの後部座席にジャクリーン夫人とともに乗っていたケネディ大統領に向かって3発の銃弾が撃たれ、2発が大統領に命中。頭部に当たった銃弾が致命傷となった。その日のうちにリー・ハーベイ・オズワルドが容疑者として逮捕され、証拠のライフル銃も押収された。オズワルドは、当時アメリカと冷戦状態にあったキューバのカストロ首相の信奉者であることを認めたが、犯行は否認。2日後、拘置所に移送される際に、ケネディの熱烈な支持者であるダラス市民、ジャック・ルビーによって射殺され、狙撃の動機や共犯者の存在など、事件の真相は謎のままとなった。事件直後からアメリカ政府は真相究明のため、ウォーレン委員会を設置して調査し、翌年、オズワルドによる単独犯行と結論付けた。しかし、事件に謎が多いことや捜査資料が当初2039年まで非公開(その後、非公開期間を2017年までに短縮し、一部は公開)となったことから、マフィア犯行説やアメリカ中央情報局(CIA)の関与、ソ連やキューバによる陰謀説などが唱えられ、多くの小説や映画の題材にもなった。