フランス国内の大型スーパーに対して売れ残った商品の廃棄を禁止し、慈善団体への寄付を義務付ける法律。食料品廃棄禁止法、食品廃棄禁止法とも報道されている。法案は2015年5月に下院を通過したが、その後、手続きの問題などからいったん 無効となり、同年12月に再び下院で可決。16年2月3日に、上院でも可決され、成立した。同法により、延べ床面積が400平方メートルを超える大型スーパーでは賞味期限切れや売れ残りの食品の廃棄が禁止され、生活困窮者への配給を行うフードバンクなどを運営する慈善団体への寄付が義務付けられた。違反した場合は、3750ユーロ(約47万円)の罰金が科せられる。同法が成立した背景には、同国の貧困問題がある。近年、同国では失業率が10%を超え、スーパーのごみ箱から破棄された食品を漁って生活する貧困者も生じる状況にあった。そうした状況を案じたクルーブボア市のアラシュ・デランバーシュ市会議員が、15年1月にインターネットの署名サイトで食料廃棄禁止の法規制を呼びかける活動を開始。21万人以上の署名が集まったことから国会議員にも協力を呼びかけ、法の成立に至った。