中国公安部が、不正蓄財を行い、国外に逃げ出した汚職官僚らの拘束を目的として展開している反腐敗キャンペーンの名称。中国では1980年代から、共産党幹部や高級官僚、国営企業幹部などが不正蓄財で私腹を肥やし、国外に逃亡するケースが横行。同国政府の発表によれば、2010年までに、約4000人が約500億ドル(約5兆4000億円)にも及ぶ不正蓄財資産を国外に持ち出したとされる。習近平政権は徹底した腐敗撲滅を掲げており、13年には762人の経済犯罪容疑者が中国に送還され、100億元(約1700億円)が没収された。14年7月にキツネ狩りキャンペーンを開始して以来、2カ月余りで約40の国と地域から帰国させた経済犯罪の容疑者102人を逮捕した。中国政府は各国と犯罪人引き渡し条約の締結交渉を早急に進めているが、日本やアメリカなどとは条約を結んでいないため、容疑者の引き渡しが難しくなっている。14年9月には、北京市政府が、海外での蓄財や摘発逃れを防ぐために部長級以上の幹部の出国を原則禁止するなど、異例ともいえる厳しい措置が取られている。