コロンビア政府と左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)の間では、半世紀に及ぶ内戦状態が続いていたが、2016年8月24日、両者が停戦の最終合意に至ったとする共同声明が発表され、内戦に終止符が打たれることとなった。FARCは1959年のキューバ革命の影響を受けて64年に結成された中南米最大の反政府左翼ゲリラ組織で、社会主義政権の樹立を目指して勢力を拡大。最盛期には2万人の構成員を擁し、国土の約3分の1を実効支配して、テロや誘拐などを繰り返していた。2002年に就任したアルバロ・ウリベ前大統領は、アメリカの支援のもと、FARCの掃討を本格化。これによって、FARCは弱体化していき、構成員は7000人までに減少したとされている。その後、ウリベ大統領の後継として就任したフアン・マヌエル・サントス大統領が、12年から和平交渉を開始し、両者の仲裁に動いていたキューバのハバナで双方の代表が協議を続けてきた。15年9月には内戦中の犯罪行為をめぐる処罰方法で一致し、16年6月には交渉の最大難関だった停戦合意を結ぶなど、最終合意に向け状況は整ってきていた。共同声明を受けて、コロンビア政府とFARCは16年8月29日に停戦入り。和平合意は10月2日の国民投票で信任が得られれば、正式に成立する。