アメリカのフロリダ州オーランドにあるナイトクラブで2016年6月12日に発生した銃乱射事件。現場となったのは同性愛者向けのナイトクラブ「パルス」で、事件当日は300人近い客がイベントに集まっていた。同日午前2時ごろ、自動小銃と拳銃で武装した男1人が店内で乱射を始め、警備員や警察官らと銃撃戦になった。その後、店に取り残された約30人の客を人質に取って立てこもった。同日午前5時ごろ、警察の特殊部隊が店内に突入し、銃撃戦の末、男を射殺した。捜査当局によると、この乱射で49人が死亡し、53人が負傷。容疑者は同州に住む29歳のアフガニスタン系アメリカ人の男で、犯行のさなか、自ら警察に電話で通報し、過激派組織「イスラム国」(IS)への忠誠を口にしたという。事件後には「イスラム国」からも犯行声明が出された。ただ、容疑者と組織との具体的な接点は見つかっておらず、動機にも不明な点が多い。アメリカで生まれ育った実行犯が過激思想に感化されて独自に行動を起こした、ホームグロウン型、ローンウルフ型のテロとの見方も強まっている。アメリカで発生した銃乱射事件としては過去最悪の犠牲者数となった。