2016年8月27、28日にケニアのナイロビで開催された、アフリカの開発について議論する国際会議。アフリカ開発会議は、1993年以降、日本政府が主導し、国連や国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行と共同で開催してきたもので、第5回までは東京と横浜で5年ごとに開催されてきた。アフリカの要望で3年ごとに日本とアフリカで交互に開催することになり、第6回が初のアフリカでの開催となった。会議には、安倍晋三首相、アフリカ54カ国の首脳らが参加し、経済の多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進、質の高い生活のための強靭(きょうじん)な保健システムの促進、繁栄共有のための社会安定化の促進などをテーマに議論が行われ、その成果を盛り込んだナイロビ宣言が採択された。同宣言では、まず、アフリカが世界経済の重要なプレーヤーとして位置づけられるとしたうえで、国際資源価格の下落、エボラ出血熱の流行、テロや武力紛争の増大といった新たな課題に直面していることを確認。取り組むべき優先課題として、雇用の創出や、技術・ノウハウの移転につながる質の高いインフラへの投資、医療・保健体制の強化、テロの根絶に向けた教育、職業訓練などを通した社会安定化の促進などを挙げた。また、海洋進出を進める中国を念頭に、安全保障理事会を含む国連諸組織を早急に改善する決意を再確認するとしている。なお中国はアフリカ諸国との経済関係強化を目的とした中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を2000年から3年おきに開催、すさまじい勢いで経済進出をし影響力を強めている。