シリアで活動する、国際テロ組織アルカイダ系のイスラム教スンニ派の反政府武装組織。2011年、「イラクのアルカイダ」(AQI)の支援を受けて、シリアでのAQI関連組織として結成されたとされる。12年1月に、現在の組織名を名乗って結成を宣言。主にシリア北部のアレッポ県、イドリブ県などを中心に勢力を伸ばし、同国のアサド政権と対立している。最高指導者はアル・ファテフ・アブ・ムハンマド・アル・ゴラニで、勢力は約6000~1万人。当初は爆弾テロを主な戦術として、首都ダマスカスなどで治安機関施設を標的とした自爆テロなどを実行。次第に、他の反体制派組織と連携して軍の施設などを襲撃・占拠するようになり、反体制派内の有力組織の一つとなった。「イスラム国」(IS)とは敵対関係にあり、14年1月以降、シリア東部のデリゾール県などで衝突が本格化して、同年7月までに双方の戦闘員が数千人死亡したといわれている。15年6月にシリアに入国した後、行方不明になっていたジャーナリストの安田純平氏と見られる男性の動画が、16年3月17日にインターネット上で公開された。安田氏は、シリア入国直後、ヌスラ戦線に拘束されたものと見られている。