「自国育ちのテロ」の意味で、主に欧米で育ち、教育を受けた人物が自国などを対象に起こすテロのこと。国産型テロなどとも呼ばれる。インターネットなどを通じてイスラム過激派の思想に影響を受けた若者が独自に起こす例が多く、アルカイダなどの国際テロ組織とのつながりは薄いのが特徴。組織的なテロに比べて事前に計画を知ることが難しく予防が困難なため、近年、欧米諸国では新たな脅威として認識されている。2005年7月にイギリスのロンドンで地下鉄などを標的に起こされたロンドン同時爆破テロはその典型例といわれ、同事件の実行犯はいずれもイギリス国籍を持つ若者だった。アメリカでも近年、こうした事件が増加傾向にあり、13年1月にアメリカ議会調査局がまとめた報告書によると、01年9月から12年12月までの間に同国内で摘発(既遂を含む)された63件のホームグロウン・テロリズムのうち、3分の2にあたる42件は09年以降に計画されたものだった。13年4月にアメリカのボストンで発生した爆弾テロ事件も、容疑者がアメリカ国内で教育を受けた移民の若者であったことから、同種のテロと考えられている。