2016年3月22日、ベルギーの首都ブリュッセルの国際空港と地下鉄の駅で連続して発生したテロ事件。同日午前8時ごろ、ザベンテム国際空港の出発ロビーで2度の爆発が起こり、14人が死亡。その約1時間後の午前9時ごろ、欧州連合(EU)本部や日本大使館にほど近い地下鉄マルベーク駅から動き始めた列車内でも爆発が起こり、20人が死亡した。負傷者は、2カ所合わせて、日本人2人を含む300人以上に及んでいる。事件発生を受け、ベルギー政府は対テロ警戒水準を最高レベルの4に引き上げ。ブリュッセル市内の公共交通機関を全面ストップさせ、国内の原子力発電所の警備態勢を強化した。爆発発生直後に、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表。同空港の防犯カメラに映った3人の容疑者のうち、イブラヒム・バクラウィ容疑者とナジム・ラーシュラウィ容疑者の2人は自爆テロによって死亡し、残る1人は逃走したが、ベルギー検察当局が同月24日にブリュッセル市内の家宅捜索で拘束した3人のうち、ファイサル・シェフという名前の男が逃走中の1人と判明、テロ殺人の容疑で逮捕された。また、地下鉄で自爆したのは、イブラヒム・バクラウィ容疑者の弟ハリド容疑者であると特定された。地下鉄での犯行には、もう1人が関与したものと見られている。同月18日には、15年11月のパリ同時多発テロの実行犯として指名手配されていたサラ・アブデスラム容疑者がブリュッセルで拘束されていたことから、報復テロの可能性があるとされている。