北朝鮮が2016年1月6日に実施した核実験。同国が核実験を実施したのは06年10月、09年5月、13年2月に続いて4回目。国営放送である朝鮮中央テレビは16年1月6日午後に「特別重大報道」として臨時ニュースを放送し、同国として初めてとなる水素爆弾(水爆)の実験に成功したと発表。実験は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が15年12月15日に実施を命じ、16年1月3日に最終命令書に署名したと述べた。そのうえで、核開発はアメリカの敵視政策から朝鮮半島の平和と安全を守るための自衛的措置だとし、アメリカの姿勢が変わらないかぎり開発を続ける方針を表明した。韓国気象庁は実験が行われたとされる時刻に北朝鮮北部でマグニチュード4.8の人工地震を観測している。中国やアメリカに事前通知しないまま実験を強行したのは初めてで、16年5月には36年ぶりに朝鮮労働党の党大会が開かれるため、国威発揚をねらったとの見方がある。ただし、爆発の規模がTNT火薬換算で6キロトン程度であり、水爆にしては小さかったことから、水爆ではなく、核融合反応を一部取り入れて威力を高めるブースト型原爆(強化原爆)だった可能性も指摘されている。実験の実施を受けて、国連安全保障理事会(国連安保理)は翌7日に緊急会合を開き、過去の安保理決議に対する違反として非難する声明を発表。新たな制裁措置を盛り込んだ決議案を作成することで一致した。また、日本を含む12カ国が参加する軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)も、同月12日に共同声明を発表。北朝鮮の核実験を強く非難するとともに、すべての核関連活動を直ちに停止することなどを求めた。