アメリカで政府予算が成立せず、政府機関の一部機能が停止される事態。同国では予算案は議会が作成し、上下両院で可決する必要があるが、期限までに成立しなかった場合、連邦法に基づいて行政管理予算局(OMB)が政府機関の一部閉鎖を命じる。その際、軍事や治安、医療、福祉など、国益や国民生活に直結する分野以外の政府業務は限定的になり、閉鎖された部門に勤務する政府職員は一時帰休(レイオフ)の対象となる。こうした措置は、予算が成立するまで継続する。2013年10月には、オバマ政権が進める医療保険制度改革(オバマケア)をめぐる与野党の対立から、14会計年度の暫定予算案が期限までに成立せず、17年ぶりに政府閉鎖を実施。暫定予算が可決されるまで、1日~16日にかけて国立公園や博物館などの観光施設が閉鎖されたほか、税務に関わる業務や、退役軍人、高齢者向けの行政サービスが縮小され、国立衛生研究所(NIH)や航空宇宙局(NASA)の業務も一部停止した。予算不成立時の政府閉鎖は1970年代から数度、実施されており、クリントン政権時に95年12月から96年1月にかけて21日間続いた閉鎖が過去最長。その際は、約28万人の政府職員が一時帰休となり、約47万人が無給のまま働く事態になった。