中国や台湾などの旧正月。中華圏では、最も重要な祝日。太陰暦(旧暦)に基づく祝日で、太陽暦(新暦)での日付は毎年異なる。おおむね新暦の1月下旬から2月中旬ごろ。春節が近づくと、新年を迎えるための大掃除や家の飾りつけが行われ、年ごとに張り替える幸福祈願の蝙蝠(こうもり)や魚を描いた版画、年画を室内に貼り、門の両脇には縁起のよい言葉を書いた「対聯(ついれん)」などが飾られる。広東省や香港などでは、「吉」を意味するキンカンの木が置かれ、ご祝儀をつるす風習がある。大みそかの前夜は、縁起物の魚の料理や春巻、正月もちの夕食を用意し、家族や親族がそろって食べる伝統がある。このため、この時期には他の地方に離れて暮らしている家族が帰省し、中国最大規模の人口移動が起こる。年明けには、魔よけの爆竹を鳴らしたり、花火を打ち上げたりして新年を迎える風習がある。しかし近年、中国国内では大都市圏を中心にPM2.5などの大気汚染が深刻化しているため、汚染の一因となる花火や爆竹は禁止、もしくは自粛が要請されている。