2015年6月26日、アメリカ連邦最高裁判所が、同性婚は合衆国憲法で認められた権利であり、すべての州で認められるとの判断を下した判決。アメリカで同性婚を求める裁判を起こす動きは1970年代から見られるようになったが、キリスト教保守派などが強く反対。73年に、メリーランド州が全米で初めて同性婚を禁止する州法を定めた。96年には、クリントン政権下で、結婚は男女間のものであると規定する結婚防衛法が制定された。一方、2003年に、マサチューセッツ州最高裁が、同性婚を禁止する州の政策は個人の尊厳と権利の平等を定めた州憲法に違反するとの判決を下し、翌年に同州がアメリカで初めて同性婚を合法化。その後、各州に合法化の動きが広がった。連邦最高裁が13年6月に、結婚防衛法が違憲であるとの判決を下し、各州で合法化の動きが加速。ただし、同判決では、同性婚を認めるか否かについては、州ごとの判断にゆだねられていたため、15年6月時点で全50州のうちオハイオ州など13州では同性婚が認められていなかった。連邦最高裁が全州で同性婚を容認したのは、15年6月の判決が初めて。長年アメリカで論争となってきた同性婚問題に、司法が最終的な決着を付けることとなった。