日本を訪れる中国人観光客の人気を集める日本メーカーの医薬品。2014年秋ごろに中国のインターネットメディアなどが「日本に行ったら買わなければならない医薬品」として取り上げたことでブームに火がつき、いわゆる爆買いの対象となった。紹介されたのは、小林製薬(本社・大阪市)の冷却ジェルシート「熱さまシート」や、傷口に塗る液体ばんそうこう「サカムケア」、皮膚の赤みやさめ肌などを改善する塗り薬「ニノキュア」、久光製薬(九州本社・佐賀県鳥栖市)の湿布「サロンパス」、大正製薬(本社・東京都豊島区)の貼る口内炎薬「口内炎パッチ」、参天製薬(本社・大阪市)の目薬「サンテ ボーティエ」など。いずれも、日本のドラッグストアで一般的に販売されている家庭用常備薬だが、品質の高さや、中国では類似品が少ないことなどから人気を博した。「サカムケア」の15年4~6月期の売り上げが前年同期比で5倍以上に急増するなど、インバウンド消費(日本を訪れた外国人による消費)の拡大に寄与している。