中国の習近平国家主席が2015年11月26日に表明した人民解放軍の大規模改革。同月24~26日に北京で開かれた中央軍事委員会改革工作会議で示された。人民解放軍は最高意思決定機関である共産党中央軍事委員会(主席:習近平)の下に、総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部の4総部と呼ばれる中枢組織が配され、その下に(1)陸軍主体の地域区分である七つの軍区、(2)海軍、(3)空軍、(4)第2砲兵(戦略ミサイル部隊)が連なっている。改革では、従来の縦割りの指揮系統から脱却するため、アメリカ軍を参考に、陸海空軍を統合運用する統合作戦指揮体制の構築を進め、4総部は統廃合して中央軍事委員会の権限を強化する。また、従来は北京、瀋陽、済南、南京、広州、成都、蘭州の7地域に設置されていた軍区を、4~5の戦区に改編。各戦区に陸海空からなる作戦指揮部を新設し、伝統的に陸軍主体だった指揮系統を見直す。運用の効率化に伴い、現在230万人いる兵力のうち、30万人を17年末までに削減する方針。一連の改革は20年までに行うとされ、南シナ海や東シナ海での他国との摩擦を念頭に実戦的な体制づくりが進められると見られる。