イランの国会(正式名称はイスラム諮問評議会)は一院制で、定員290人、議員の任期は4年。イスラム法学者と法律家各6人で構成される護憲評議会の事前審査を通過した立候補者の中から、直接選挙で選ばれる。2016年2月26日に行われた国会議員選挙では、290議席のうち221議席が確定。選挙前には過半数の議席を占めていた保守強硬派は、93議席と議席を減らした。一方、対米融和路線を試みてきた現職のロウハニ大統領を支持する保守穏健派と改革派が首都テヘランで30議席を独占するなど躍進し、合わせて94議席を獲得した。この他、いずれにも属さない独立派が34議席を獲得。残る69議席はいずれの候補も当選に必要な票数を得られなかったため、最終的な当落は同年4月の決選投票によって決することとなった。イラン専門家会議は、最高指導者(任期なし。16年3月時点ではハメネイ師)の選出、監督、罷免などの権限を持つ機関で任期は8年。イスラム教聖職者88人で構成される。国会議員と同じく、護憲評議会の事前審査を通過しなければ立候補できない。16年は国会議員選挙と同時に直接選挙が行われ、ロウハニ大統領率いる保守穏健派が過半数を獲得。保守穏健派からは同大統領のほか、ラフサンジャニ元大統領などが当選。従来大半の議席を握っていた保守強硬派は、ヤズディ元議長など重鎮が軒並み落選する結果となった。両選挙における有権者数は約5500万人で、このうち約3300万人が投票した(投票率約62%)。