2016年9月4~5日に中国の浙江(せっこう)省杭州で開催された金融・世界経済に関する首脳会合。中国が初の議長国を務めた。会合には、G20を構成する20カ国・地域のほか、スペイン、シンガポールなど8つの招待国、国際連合、国際通貨基金(IMF)、世界銀行など7つの国際機関が参加。世界経済がさまざまな下方リスクに直面している中、創造的で活力に富み、相互に連結された包括的な世界経済の構築に向け、G20がいかに政策協調を強化していくかについて議論を重ねた。会合後に採択された首脳宣言には、(1)世界経済は回復が続いているものの、成長が期待よりも弱く下方リスクが存在することから、持続可能で均衡ある成長を達成するため、金融、財政および構造政策という政策手段を個別にまた総合的に活用すること、(2)為替の過度の変動や無秩序な動きは悪影響を与え得ることを再確認、(3)鉄鋼などの過剰生産能力問題を話し合う場として、貿易大臣などによる「グローバル・フォーラム」を設立すること、(4)15年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された、20年以降の地球温暖化対策のルールであるパリ協定を、16年末までに発効させるための取り組みを歓迎することなどが盛り込まれた。なお、杭州サミット前日の9月3日には、アメリカと中国がパリ協定の批准を発表した上で米中首脳会談を行っており、地球温暖化問題については協調体制を打ち出していた。