南アフリカ共和国で1912年に設立された政治組織、政党。同国中部の都市ブルームフォンテーンで非白人の知識人を中心に設立され、当初は南アフリカ先住民民族会議(SANNC)と称したが、23年に現在の名称に改名した。反人種主義の立場から、白人以外の権利擁護、拡大を主な目標とし、48年に国民党政権が成立した後も、しばらくはインドのガンジーに影響を受けた非暴力不服従の活動を展開した。しかし、アパルトヘイト体制が強化されていくなかで、しだいに武力闘争路線に転換。60年に非合法化されると、多くの活動家が投獄されたり、国外に逃亡したりした。当時、指導者の一人だったネルソン・マンデラも62年に逮捕され、刑務所に収監された。その後も政府による弾圧が長く続いたが、反アパルトヘイト運動が高まった90年2月に再び合法化され、マンデラも釈放される。94年4月に同国史上初めて行われた全人種参加による総選挙では圧勝を収めて政権与党の座を獲得し、マンデラが黒人初の大統領に就任した。以降、99年、2004年、09年の総選挙でも高い得票率で政権を維持し続けている。13年6月時点での議長は、07年に就任したジェイコブ・ズマ。