2014年8月8日、西アフリカで感染が広がるエボラ出血熱に対して、世界保健機関(WHO)が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として出した宣言。感染国に対しても緊急事態宣言を発するよう勧告した。同宣言は、国際交通への影響を最小限に抑えつつ、感染症の国際的な拡大を最大限防止するようWHOが定めた国際保健規則(IHR)に基づく措置。WHOは周辺国に対して、国際空港や港、国境の主要な検問所での検査の強化を勧告。世界各国に対しても感染国からの帰国者、入国者の検査を強化するよう勧告した。同年3月にギニア政府が集団感染を発表したエボラ出血熱は、隣国のリベリアやシエラレオネ、ナイジェリアへと感染が拡大。WHOによると、同年8月20日時点で死者が1427人に達した。また、エボラ出血熱には現在、有効な治療法がないことから、同機関は開発段階のワクチンや治療薬の投与は倫理的であるとの専門家からなる委員会の結論を踏まえ、未承認薬の使用を認める異例の措置に踏み切った。