アメリカ軍がミサイル防衛(MD)システムの一環として運用する、移動式、地上配備型の迎撃ミサイル。「戦域高高度防衛ミサイル」と呼ばれることもある。高性能の早期警戒レーダー、Xバンドレーダーとともに運用する。発射された敵の弾道ミサイルが軌道の最高点を過ぎ、降下に入った段階で撃ち落とす。より低い高度で用いられる地対空誘導弾、パトリオット(PAC-3)と比べて命中精度や射程に優れ、広範囲の防衛に適している。アメリカ軍では1992年から巨額の予算が投じられて開発が進み、99年6月に7回目の実験で迎撃に初成功。2007年には、太平洋上での迎撃試験にも成功した。北朝鮮による新型弾道ミサイル、ムスダン発射の懸念が高まった13年4月には、その射程内とされるアメリカ領グアムに配備されることが発表された。グアムへの実戦配備は、これが初めてとなる。