黒海沿岸に位置する旧ソビエト連邦の国、グルジアの英語表記に基づく呼称。国名の「Georgia」には、キリスト教の聖人ゲオルギウスに由来するという説や、ギリシャ人が用いていた呼称によるとする説などがあり、グルジアの表記はそのロシア語読みを基にしている。グルジア語では、「カルトヴェリ(グルジア人)の土地」という意味のサカルトヴェロという呼称が用いられる。同国は1991年の独立以来、アブハジア自治共和国や南オセチア自治州をめぐってロシアと緊張関係が続いていたが、2008年の南オセチアでの武力衝突により、国民の反ロシア感情はさらに高まった。その後、グルジア政府はロシア語を起源とする呼び方は国民感情にそぐわないとして、他国に対して英語読みであるジョージアの呼称を使用するよう要請。日本の外務省によると、14年10月時点で国連加盟国のうち約170カ国がジョージアの呼称を用いており、グルジアと呼んでいるのは、ロシアや中国、日本などに限られる。こうした状況を受け、日本政府は公文書などで用いる国名表記をジョージアに変更する方針を固め、15年の通常国会で関連法案の改正案を提出する準備を進めている。