2015年12月2日に、アメリカのカリフォルニア州で発生した銃乱射事件。同州南部のサンバーナディノ郡にある障害者支援施設で開かれていたパーティー会場に、武装した2人組が押し入り、参加者らに向けて銃を乱射した。現場には当時、郡公衆衛生部局の職員らが集まっており、銃撃で14人が死亡、21人が負傷した。襲撃した2人は自動車で逃走したが、数時間後に追跡した警察と銃撃戦になり、2人とも射殺された。警察発表などによると、容疑者は同郡公衆衛生部局職員でパキスタン系アメリカ人の男と、男の妻でパキスタン出身の女。男は同僚とのパーティーに参加していたが一度席を離れ、妻とともに会場に戻って犯行に及んだと見られる。動機には不明な点も多いが、自宅に大量の弾薬や爆発物などを準備していたことや、インターネットで過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う書き込みをしていたことなどから、捜査当局はテロ事件と断定。事件4日後にテレビ演説したオバマ大統領も、テロ行為であると非難した。ISも事件について「ISの支持者による攻撃」とする声明を発表しており、容疑者とテロ組織との直接的なつながりは見つかっていないものの、2人が過激思想に感化されて起こした事件との見方が強まっている。アメリカ国内で起きたテロ事件としては、2001年の同時多発テロ以降で、最大の死者を出した。