北大西洋条約機構(NATO)が、加盟国への脅威に対する防衛力強化を目的に策定した軍事計画。2014年9月にイギリスで開催された首脳会議において採択されたウェールズ宣言に盛り込まれた。14年3月以降、ウクライナへの軍事介入を強めているロシアに対抗することを念頭に置いた計画であり、その柱となるのは既存のNATO即応部隊の中に初動対処部隊(VJTF)を創設すること。脅威に対して迅速に対応する部隊として、有事の際には最短2日で数千人規模の兵力を世界各地に展開できるものとし、加盟国が持ち回りで兵力を提供する。また、部隊の展開に必要な小規模の司令部や物資の補給拠点を、東欧やバルト諸国の基地に設置するほか、それらの地域での軍事演習も強化する。計画の詳細は、15年2月の国防相会議で決定する予定。