2016年7月3日未明に、イラクの首都バグダッドで起こった爆弾テロ事件。ラマダン(断食月)明けの祝祭を控えて買い物客でにぎわう同市の繁華街カラダ地区で爆弾を積んだ自動車が爆発し、多数の子どもを含む市民が死傷した。同国保健省の発表によれば、同月7日までに死者は292人に達し、03年のイラク戦争以降、1度の爆弾テロとしては最悪の被害となった。負傷者は200人を超えている。事件後、過激派組織「イスラム国(IS)」が、敵視するイスラム教シーア派を狙ったとする犯行声明を出した。3日深夜には、同市北東部のシャーブ地区でも、簡易爆弾の爆発で5人が死亡。イラクでは、中部の要衝都市ファルージャをISから奪還するなど、ISの支配地域は縮小してきているが、バグダッド周辺で相次ぐテロは、その報復措置とも見られている。テロを防ぐことができないアバディ政権に対する市民の反発は強まっており、同月3日に事件現場を視察したアバディ首相には罵声とともに、靴などが投げつけられた。