テロなどの重大犯罪を防ぐため、捜査機関が管理する指紋情報などを提供し合う2国間協定。「PCSC」は、「重大な犯罪の防止及び対処」を意味する英語の略。テロリストの入国防止などを主眼として、アメリカが短期滞在などでのビザ申請を免除している37の国、地域に締結を求めていた協定で、一部の国ではDNAデータベースの情報提供に合意しているケースもある。2013年9月には、要請された国で唯一、締結していなかった日本も合意。日米間の協定では、重大犯罪への関与が疑われる人物の指紋情報が相手国のデータベースに存在するかを照会し、あった場合には、氏名や性別、生年月日、過去の逮捕歴などの情報を受け取る。日本側からは警察庁が管理する指紋情報、アメリカ側からは連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省が管理する指紋情報が提供される。指紋情報の照会などは従来、国際刑事警察機構(ICPO)や日米刑事共助条約に基づいて行われてきたが、手続きに時間がかかるなどの課題が指摘されていた。日本側では、国会の承認と関係法令の整備が必要になり、日本政府は14年の通常国会での成立を目指すとしている。