2016年7月1日夜、バングラデシュの首都ダッカで発生した武装集団による飲食店襲撃テロ事件。事件は、同市中心部で各国の大使館や商業施設などが集まるグルシャン地区のレストラン「ホーリー・アルティザン・ベーカリー」で発生。武装集団が同レストランを襲撃し、外国人客などを人質にとって立てこもったが、約10時間後に同国政府が治安部隊を突入させて激しい銃撃戦を展開して鎮圧。日本人1人を含む人質13人が救出されたが、銃撃戦で警察官2人が死亡し、日本人7人を含む人質20人が殺害された。犠牲となった日本人は、国際協力機構(JICA)関連のインフラ事業プロジェクトに携わっていた男性5人、女性2人。容疑者は6人が治安部隊の突入時に射殺され、1人が拘束された。同月5日、当初射殺と発表された容疑者のうち1人は武装集団ではなく店員だったことが判明し、死亡した容疑者は5人、犠牲者は23人となった。容疑者はほとんどが20代で、非合法の武装組織「バングラデシュ・ムジャヒディン集団(JMB)」に属しており、その思想に感化されたものと見られている。過激派組織「イスラム国(IS)」傘下の「バングラデシュのイスラム国」が犯行声明を出しているが、ISとJMBの関係には不明な点もあり、事件の背景は明確となっていない。