津波の危険性についての啓発や被害の軽減を目的とした国連記念日(国際デー)。2015年12月4日に開かれた国連総会第2委員会で、毎年11月5日を記念日とする決議が全会一致で採択された。11月5日は、1854年に安政南海地震が発生した日。この地震で大津波に襲われた和歌山県広川町で、一人の村人が稲の束に火をつけて他の村人を高台に誘導した「稲むらの火」の逸話にちなむ。日本では東日本大震災を受けて2011年6月に成立した津波対策推進法で「津波防災の日」に定められている。15年3月に宮城県仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議を機に、国連の記念日とすることを日本が提案し、日本を含む142カ国が共同提案国となっていた。決議は同年22日に国連総会で採択された。津波の脅威に対する意識の向上や、早期警報システムの整備の重要性などを呼びかける取り組みなどが展開される。