中国共産党が2016~20年の5年間にわたる経済、社会の運営方針や成長目標について定めた計画。16年3月5日から開かれた国会に相当する第12期全国人民代表大会(全人代)で、習近平指導部が正式に表明した。経済の中高速成長を保ち、産業の高度化を促進することを主な目標とし、20年までに国内総生産(GDP)と都市・農村の一人当たり所得を10年比で倍増させるため、今後5年間の経済成長率の目標を6.5%以上に設定。16年の成長率目標は6.5~7%とした。20年までに先進的製造業、現代サービス業、戦略的新興産業(省エネ、環境保護、新世代情報技術、バイオ、ハイエンド設備製造、新エネルギー、新エネルギー自動車、新素材)の割合を大幅に上昇させ、就業者一人当たりの産出付加価値を12万元(約209万円)以上に高めるとしている。また、鉄鋼業界や石炭業界における過剰な生産能力の解消、経営が悪化しているいわゆる「ゾンビ企業」の淘汰(とうた)といった供給サイドの改革を徹底する一方、財政支出拡大によって財政赤字の割合を対GDP比3%に引き上げるなど、景気の安定に配慮する姿勢も示した。その他の方針は、15年10月の「中国共産党中央の国民経済・社会発展第13次5カ年計画に関する建議」で提示された「5つの発展理念」を踏襲。(1)イノベーションによる牽引力の強化、(2)都市・農村間、地域間の調和した発展、(3)生産方式と生活様式のグリーン化、(4)改革開放の深化・発展新体制の構築、(5)福祉の持続的増進・発展成果の共有を掲げた。