ノーベル賞6部門の一つで、国際紛争の調停、軍縮、人権などの世界平和の実現に貢献した個人や団体を顕彰する賞。2016年10月7日、選考元であるノルウェーのノーベル賞委員会は、同年の賞を南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領に授与すると発表した。授賞理由は、「50年以上に及ぶ内戦終結に向けた断固たる努力」とされた。サントス大統領は、1951年8月10日、同国の首都ボゴタ生まれ。アメリカのハーバード大学大学院修了後、有力紙のコラムニストを経て91年政界入り。対ゲリラ強硬派のウリベ政権では国防相に就任し、左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)の掃討作戦を指揮。2010年に大統領に就任し、12年からFARCとの和平交渉を開始。16年8月24日、同国政府とFARCが停戦の最終合意に至り、50年以上にわたった内戦状態を終結へと導いた。10月2日には和平合意の賛否を問う国民投票が行われたが、50.2%対49.8%の僅差で否決された。同賞を選考したノーベル賞委員会は、サントス大統領の受賞がすべての関係者を勇気づけると期待する旨のコメントを発表した。授賞式は16年12月10日にノルウェーのオスロで開かれ、賞金800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。