国際的な軍事行動に自主的に参加する複数の国家を指す呼称。この言葉が広く使われたのは、フセイン政権の打倒などを目的に2003年3月に始まったイラク戦争においてである。このときのアメリカ主導の軍事行動は、国連安全保障理事会(安保理)による武力行使容認決議を得ずに開始したものだった。そのため、安保理決議を経て1991年のクウェートへ侵攻したイラクとの湾岸戦争では使われた多国籍軍という呼称は用いられず、軍事行動への参加や支持をした44カ国は、アメリカ政府によって有志連合と名づけられた。こうした言葉を用いることによって、アメリカの単独行動ではなく、国際的な支持を得た行動であることをアピールする狙いがあるといわれる。14年9月には、シリアやイラクで勢力を拡大させるイスラム過激派組織のイスラム国(IS)を壊滅させることを目的として、アメリカのオバマ大統領が新たな有志連合の結成を呼びかけ、複数の国が参加して空爆などの作戦が実行された。