2015年7月10日に、中国で人権問題に取り組む弁護士や活動家などが多数、治安当局に連行、拘束された事件。同月9日未明、人権問題に積極的に取り組む北京鋒鋭弁護士事務所所属の王宇氏が消息を絶ったのを皮切りに、翌10日から同事務所の関係者を中心に弁護士や活動家の連行、拘束が相次ぎ、国内外のネット上でこう呼ばれるようになった。香港のNPO団体によると、同月16日までに一時的なケースを含めて200人以上が当局による拘束の対象になったという。同国の国営メディアなどは、同事務所を社会の秩序を乱した疑いのある重大犯罪グループとして摘発したと報じた。中国では11年に茉莉花(ジャスミン)革命と呼ばれる民主化要求が広がった際に各地の弁護士が拘束されたが、それを上回る規模での一斉拘束となった。背景には、習近平政権が民主主義や人権などの価値観が広がって政府批判につながることに警戒を深めていることがあり、拘束には弁護士らの活動を萎縮させる狙いがあるといわれる。15年7月には、共産党政権や国家主権、領土など幅広い分野での国益を守るために社会統制を強める新国家安全法も成立、施行されており、拘束された弁護士らも同罪などに問われる可能性が指摘されている。