ノーベル賞6部門の一つで、国際紛争の調停、軍縮、人権など世界平和の実現に貢献した個人や団体を顕彰する賞。2013年10月11日、ノルウェーのノーベル賞委員会は同年の賞を化学兵器禁止機関(OPCW)に贈ると発表した。授賞理由は、「化学兵器廃絶へ向けた幅広い活動」としている。OPCWは1997年に発効した化学兵器禁止条約に基づいて設立された国際機関。本部はオランダのハーグにある。加盟国の条約順守を監視し、必要な査察や検証を行っている。2013年8月にシリア内戦で化学兵器が使用された疑いが強まるとともに、OPCWの活動にも注目が集まるようになった。9月下旬に国連の安全保障理事会がシリアに化学兵器の全廃を義務付ける決議を採択。OPCWはシリア政府が申告した化学兵器工場の査察と化学兵器の廃棄に取り組んでいる。ノーベル賞委員会はOPCWの授賞発表に際して、シリアでの化学兵器の使用を例に取り上げ、「廃棄に向けた取り組みを強化する必要性が明確に示された」と指摘した。授賞式は13年12月10日にノルウェーの首都オスロで開かれ、賞金の800万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)が贈られる。ノーベル平和賞は、1901年に創設され、ノルウェー国会が選んだ5人で構成されるノーベル賞委員会によって選考される。