懲役刑や禁錮刑の一部を執行した後、残りの刑期の執行を猶予する制度。2013年6月13日に衆議院本会議で可決、成立した改正刑法やその関連法に盛り込まれた。公布から3年以内に施行される。制度の対象となるのは、3年以下の懲役、禁錮の実刑を初めて受ける受刑者と、薬物使用の罪に問われた受刑者。裁判所の判断により、刑期後半の執行に対し1~5年の範囲で猶予期間を設定することができ、「懲役3年、うち1年の執行を3年間猶予する」などの判決を下すことが可能になる。執行猶予の期間中は原則、保護観察の対象となり、公共施設の清掃や福祉活動などが義務付けられることもある。また、薬物使用者に対しては、保護観察所が依存症の改善プログラム受講や医療機関による治療を指示することもできる。従来の実刑と執行猶予の中間にあたる量刑であり、特に再犯率が高い薬物犯罪の受刑者らを社会生活の中で更生させ、その社会復帰を促すのがねらい。法務省の試算では、年間2000~3000人が新制度の対象になるとされるが、薬物依存治療を行う医療機関など、受け入れ体制の整備不足を指摘する声も聞かれる。