強い感情の動きが引き金となって、体の一部、または全身の筋力が抜けてしまう発作。「情動脱力発作」とも呼ばれる。笑い、喜び、怒り、驚き、恐怖、緊張などで感情が高ぶると、突然、体に力が入らなくなる。特に、ひざや腰、腕、首、肩、顔面などの抗重力筋に脱力が生じ、自分の意志とはかかわりなく、まぶたが下がる、ろれつが回らなくなる、頭が前に垂れ下がる、手に持っているものを落とすなどの症状が現れる。脱力が激しい場合には、姿勢を保つことができずに、その場に倒れ込んでしまうこともある。通常、数秒から数分程度で発作は収まり、その後は自然に力が入るようになるが、ときに30分間程度持続することもある。また、発作中は意識を失うことはなく、記憶障害や呼吸の異常も伴わない。日中に強い眠気に襲われる睡眠障害の一種、ナルコレプシーの患者によく見られる症状だが、原因の特定や有効な治療法の確立はなされていない。