道路保全の観点から大型車両の通行に望ましい経路として、国土交通省が指定する区間。2013年6月に公布された「道路法等の一部を改正する法律」に基づいて、14年10月20日に同省が初回の指定区間を発表し、27日に運用を開始した。従来より、一定の大きさや重量を超える車両は、事前に走行ルートをそれぞれの道路管理者へ申請する必要があった。今回の制度は、コンテナを積載した大型トレーラーなどを、老朽化した道路や耐荷重が低い橋、狭い道などを避けて、より適した経路に誘導することで、道路の損傷を抑え、安全で円滑な交通を確保することがねらい。初回に誘導区間に指定されたのは、高速道路9660キロメートル、直轄国道2万1450キロメートルに、全国の主要な港湾や空港、貨物駅周辺の地方管理道路2720キロメートルを加えた計3万3830キロメートル。高速道路、直轄国道はいずれも原則全線指定とされたが、首都高速都心環状線などの東京都心の道路は騒音への配慮から指定外となった。誘導区間は全国の道路の総延長の約3%だが、大型車両の通行の8割程度をカバーできるようになる。また、誘導区間のみ走行する車両に関しては、事前に必要な道路管理者への申請手続きを国が一元的に管理することで、従来は20日程度かかることもあった審査期間を3日程度に短縮する。